すでに恋は始まっていた
「私早く帰りたいんだけど。手短に済ませてくれない?」


「まぁまぁ、この用事が済んだらあんた達へのいじめも終わらせてあげるから」


《まぁ、また疾斗様と関わったら始めるけど》


(ふ〜ん。半分本当で半分嘘ってわけか)


「で?何の用?」


私はあくまで知らないふりをする。


能力のことを知られたくないから。


「クスッ…これはみんなの疾斗様を奪った罰よ!」


思ってた通り、後ろにいた子が前に出てきて一斉にバケツを傾けた。


(もちろん避けられるけど、泉と葉月もこれで解放されるし…)


私は目をつぶった。

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