すでに恋は始まっていた
「みんな〜。新1年生女子に、1位だった先輩を倒して、俺と同率1位の子がいるはずなんだけど〜知らない?」


そいつはそこら辺の女子に聞こえるよう、大きな声で言った。


ギクッ…


背中を冷や汗が流れる。


目を合わせちゃいけない気がして少し後ずさり。


「え!疾斗様以外にも1位がいるの⁉︎」


「私聞いたことある!」


「え!どの子どの子⁉︎」


周りの女子が一気に騒ぎ出した。


(う…やばい。知られてたなんて…)


「でもぉ〜、レトワール1位ならそのバッチを付けてるからすぐわかるんじゃな〜い?」


(付けてないけどね)


「それもそうだね!ありがとうみんな」


その男は王子様スマイルを見せて歩いていく。


多分、自分のクラスに行くんじゃないかな?


その隙に私達は集団から離れた。

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