すでに恋は始まっていた

カーネーションの秘密

(手が…暖かい…)


目を開けて真っ先に見たのは真っ白な天井。


(ここは…保健室?ああ、私倒れちゃったんだ)


さっきから両手だけ妙に暖かい。


少し体を起こして見てみると、泉と葉月が私の手を握ってくれていた。


「クスッ…2人とも寝てる。私、そんなに長く寝てたのかな?」


ふと枕元に目をやると、そこには青いカーネーションが置いてあった。


(泉…覚えててくれたんだ)


私は2人の手を放し、カーネーションを顔の前へ持ってきた。


「また、あなたが助けてくれたの?」


応えのない沈黙が続く。


「ありがとう。私を目覚めせてくれて」

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