思いは記念日にのせて
7.過去の謎解きと契約
第三十話
その日からちょくちょく悠真に夕食に誘われるようになった。
いつも悠真だけじゃなくアメリーと三人。居酒屋だったりラーメン屋だったりはたまた家で食べようと誘われたり。
その時はいつもわたしが作るハメになるんだけどね。
別に料理嫌いじゃないからいいんだけど。
アメリーも日本食が好きなようでなにを出してもおいしいと言って食べてくれるから作り甲斐がある。
悠真がいない日もなぜかしょっちゅうアメリーがうちに来た。
日本食の作り方を教えてほしいとノートとエプロン持参で。食材を持ってきてくれる日も多いので助かっているけど。今日もアメリーひとりで来ている。
「悠真はデート?」
「デートって言うか、情報収集?」
「なにそれ?」
「悠真の仕事は特殊だからねェ、いろんな人物を見比べてるのヨ」
くすくすと楽しそうに笑うアメリー。
いろんな人物を見比べる仕事ってどんなよ?
「でも悠真は誰にも本気になったりしないワ……以外」
アメリーがなんだかうれしそうにこっちを見ているような気がする。
悠真のことは何でもお見通しって感じだ。
「アメリーは悠真のアシスタントなんでしょ? どんな仕事をしてるの?」
「ワタシは仕事を取ってくるだけヨ。でも今は向こうでアルがやってるカラ、必要物品を揃えたりとかメイドみたいなもんネ」
「メイド……」
こんな美人なメイドを従えてるなんて悠真のやつ役得だよね。