思いは記念日にのせて
それから数日後のこと。
秀和出版の広報部から弊社の社内報に関してインタビューをさせてほしいとわたしにオファーが来た。
記念日のコーナーが社内でも大人気だと聞き、うれしさのあまりすぐに引き受けたのだ。
片山課長もノリノリで「狙い通り」とほくそ笑む。何の狙いだか?
募集した日の記念エピソードが集まらなかった時は急遽わたしがオリジナルショートストーリーを書いているんだけど、それが大好評らしい。
まさかそんなところまで読んでもらえていると思っていなかったのでただただ驚きだ。
「この花の日の小話が大好きなんですよ」
広報の女性にお茶を出され、恐縮しながらそれを飲んだら熱くてやけどしそうになった。
八月のエピソードがあまり集まらなくて、七日の花の日のショートストーリーを書いたのを思い出す。
それはオリジナルではなくてわたしが幼い頃本当にあった話だった。