思いは記念日にのせて
ある意味予想通りではあるけど、わたしの気持ちには全然気づいていないんだなあ。
連絡がほしいってずっと悠真のお母さんから伝えてもらっていたのに、それでも全然わたしの気持ちに気づいてもらえないんだ。
でも今が絶好のチャンス、直球勝負で行くしかないんだ。
「ねえ悠真、運命の赤い糸って信じる?」
『――はぁっ?』
素っ頓狂な声を上げるもんだから耳にキーンと響いたわ。
でもその反応、ちょっとうれしいかも。
だけど悠真はその後少し間を空けても、なにも言葉を発してはくれなかった。
「……寝てるの?」
『寝てない』
なんとなくむっとしたような反応が返ってくる。
こっちも少しだけイラッとした。だけど怒らない怒らない。
「わたしの質問聞いてた?」
『ああ』
「じゃあ教えて。信じる? それとも信じない?」
冷静な振りしてるけど、わたしの心臓は激しく拍動している。
悠真は絶対気づいてないと思うけど、どういう答えが返ってくるのか怖いんだ。
『なに、それ僕の受け売り?』
くすくすとわざとらしく声を上げて笑い出す。
うー、まともに答える気なんてないのかもしれない。
だけど過去に悠真がわたしに言った言葉ということは認めているから、そのこと自体は覚えているんだろうな。
「そうだよ。悪い?」
『別に』