思いは記念日にのせて
「はる、結構胸おっきいんだね。着やせするタイプなんだ」
「え……?」
満足そうに微笑んだ悠真がブラの上からやわやわとわたしの胸を揉み始めた。
「や、ごめ……こんな下着でっ、着替え直したいっ」
「僕がほしいのは下着じゃないよ」
「でも……ムードってもんが、ひゃっ」
するっと肩の下に悠真の腕が回されて、少しだけ上半身を起こしあげられるといとも簡単にわたしのブラははずされてしまっていた。
胸の締め付けがなくなって、ブラの肩紐がするりと落ちていく。
両手で自身を抱きしめるようにして胸を隠したのはただの羞恥心。逃げるつもりなんかない。
視線でそう訴えると、悠真の顔が近づいてきて唇を重ねられた。
ちゅっと小さなリップ音を立てて何度も唇に吸いつかれながらゆっくりとベッドに横たわらされる。
どくんどくんと高鳴る鼓動が胸を押さえた手からも伝わってきそうなくらいだった。
「やっと手に入れた。もう逃がさないから」
唇同士が触れる位置で、悠真が小さな声でささやく。
「うん、もう離さないで」
悠真の目を見つめながら左手を伸ばしてその頬に触れると、わたしの手を取って小指に口づけを落とす。
「運命の赤い糸」