思いは記念日にのせて
2.再会

第十二話


「……ん」

 喉が渇いた。
 なんとなく頭も重だるい。

 真っ暗な部屋だけど、カーテンの隙間からわずかな月の光が差し込んでいて視界は保たれている……が。
 ――ここ、わたしの部屋じゃない。
 一気に顔面から、ううん全身から血の気が引くっていう感覚を味わった。
 だけど幸いにも寝そべっていたからふらりとはしなかったんだけど、ここはどこ?

 ふわふわの布団を剥いでなんとか重い身体を起こしあげる。
 着ていたスーツのジャケットはなく、ブラウスとスカートはそのまま。
 部屋の造りはうちのものと同じ……うちっていうかわたしの部屋と。
 なんでこうなったか記憶をたどればすぐに思い出した。

 この前会った外国人かと思っていた男の人が悠真で、なぜかここにいて抱きしめられたということ。
 その後の記憶がぷっつりと途切れてる。
 と、いうことは考えなくてもここは悠真の部屋であるからして――

 やっちゃったよ。やらかしちゃったよ。
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