思いは記念日にのせて
「最後、海に落ちた指輪って次に繋がっていくんですかね?」
「うん、続編になるんだろうな」
観た映画について語り合えるのが楽しくて、ついはしゃいでしまう。
霜田さんもとっても満足したようで終始ニコニコしていた。とってもうれしい。
その後ウインドウショッピングをしながら休憩は軽くお茶をして、夕飯は霜田さん希望で夢幻亭のオムライス。
数日前に食べたなんて言わない。
だって好きだしl霜田さんが食べたいのなら問題ないもん。
今日は仕事の話はせず、お互いの大学時代の話や好きな映画の話で盛り上がってとっても素敵な時間を過ごすことができた。
同じオムライスもいつもよりぐっとおいしく感じちゃった。
もう少し時間いいかと誘われてうなずくと、夢幻亭の上にあるショットバーに連れて行ってくれた。
気になってたけど入る機会がなかったのでうれしい!
霜田さんがビールを注文し、わたしも気分が良くてお酒を頼もうとしたらすかさずストップが入った。
「いつも飲まないのに」
「家近いし一杯だけならって思ったんですが……ダメですか?」
なんとなく飲みたい気分だった。
だけどこの前のような失態を犯さないためにもセーブするつもりなのに。
恨めしげな目で訴えると「しょうがないな」と苦笑いが返ってくる。
やった、お許しが出た。
「そのかわり、帰りはちゃんと送らせてよ」
「大丈夫ですよ」
「心配なの。その条件受け入れなきゃ飲ませない」
暗い店内のカウンターで口角をつり上げる霜田さんは色気たっぷり。
まだ飲んでなくて酔ってないのに、その色香漂う意味深な笑みにぞくっとしてしまった。