強引上司の恋の手ほどき
「しーっ!ちょっと、そんな大きな声で!」
「ご、ゴメン。でもまさか、処女のアンタが……」
「しょ、処女は余計ですよ」
美月さん驚くのも無理はない。だって私の彼、中村隼人(はやと)は去年大阪支社から転勤して以来、業務成績はさることながら明るい性格と人懐っこい笑顔で社内でも人気がある。
私だって、まだ実感がわかないんだもん……。
手もとのアジフライを箸でつつく。
「千波がいいならいいけど……、私はあんまり好きじゃない」
ピシャリと美月先輩が言いきった。
「ど、どうしてですかっ?」
隣にすわる先輩の肩をがしっと掴んで揺すった。
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ。興奮しすぎよ。ほらお茶のみなさい」
「だって、そんな気になること言うから……」
美月さんに渡された湯呑を両手でもって、お茶を一口飲んだ。
「で、どうしてですかっ?」
お茶を飲んだところで気になって聞いてしまう。そんな私の態度に美月さんはあきれ顔だ。
「だって、あんなハイスペックな男なんて気疲れしそうじゃない。アンタは同期だから多
少の接点はあっただろうけど、なんだか胡散臭くない? あの笑顔。それに自分に自信があれば気にならないんだろうけど、アンタじゃね……」
美月さんのいうとおりだ。
告白されて二ヶ月ほど経った。いまのところ順調な付き合いをしている……つもり。
だけどやっぱり「これでいいのかなぁ?」とか「こんなとき、どうしたらいいんだろう」
といつも悩んでいる。仕方がないだって私は……
「ご、ゴメン。でもまさか、処女のアンタが……」
「しょ、処女は余計ですよ」
美月さん驚くのも無理はない。だって私の彼、中村隼人(はやと)は去年大阪支社から転勤して以来、業務成績はさることながら明るい性格と人懐っこい笑顔で社内でも人気がある。
私だって、まだ実感がわかないんだもん……。
手もとのアジフライを箸でつつく。
「千波がいいならいいけど……、私はあんまり好きじゃない」
ピシャリと美月先輩が言いきった。
「ど、どうしてですかっ?」
隣にすわる先輩の肩をがしっと掴んで揺すった。
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ。興奮しすぎよ。ほらお茶のみなさい」
「だって、そんな気になること言うから……」
美月さんに渡された湯呑を両手でもって、お茶を一口飲んだ。
「で、どうしてですかっ?」
お茶を飲んだところで気になって聞いてしまう。そんな私の態度に美月さんはあきれ顔だ。
「だって、あんなハイスペックな男なんて気疲れしそうじゃない。アンタは同期だから多
少の接点はあっただろうけど、なんだか胡散臭くない? あの笑顔。それに自分に自信があれば気にならないんだろうけど、アンタじゃね……」
美月さんのいうとおりだ。
告白されて二ヶ月ほど経った。いまのところ順調な付き合いをしている……つもり。
だけどやっぱり「これでいいのかなぁ?」とか「こんなとき、どうしたらいいんだろう」
といつも悩んでいる。仕方がないだって私は……