強引上司の恋の手ほどき
「あ、ええと。大丈夫です」
「そっか、この世の終わりみたいな顔してるけど?」
そんなにひどい顔なの?
「かわいい部下の悩みくらい聞いてやるぜ」
お願いします! と思わず手を取りそうになてしまう。あぶないあぶない。
でも、こんな風に言われたら女の子が課長を好きになるのも頷けるかも。
「今はまだ大丈夫です。本当に困ったときは助けてください」
「あっそ。アジフライごちそうさん」
ニカッと人好きのする笑顔を見せて、アジフライの油が付いた指を私のカーディガンで拭くふりをした。
「もー! やめてくださいっ」
私の抗議など届かないようで、ひらひらと手を振り食堂を出て行った。
「いつも通りチャラいね〜」
美月さんが感心するように、課長を目で追っている。
食堂を出るまで、三人もの女子社員に声をかけられていた。それを適度に交わしながら歩いて行く。
「あ、もうこんな時間。千波も早く食べちゃいなさい」
「はい」
時計を確認すると、あと二十分しか昼休みがない。私はあわててアジフライをほおばった。
まさか本当に課長にSOSのサインを出す日がくるなんて、このときはまだ思ってもみなかったのだ。
「そっか、この世の終わりみたいな顔してるけど?」
そんなにひどい顔なの?
「かわいい部下の悩みくらい聞いてやるぜ」
お願いします! と思わず手を取りそうになてしまう。あぶないあぶない。
でも、こんな風に言われたら女の子が課長を好きになるのも頷けるかも。
「今はまだ大丈夫です。本当に困ったときは助けてください」
「あっそ。アジフライごちそうさん」
ニカッと人好きのする笑顔を見せて、アジフライの油が付いた指を私のカーディガンで拭くふりをした。
「もー! やめてくださいっ」
私の抗議など届かないようで、ひらひらと手を振り食堂を出て行った。
「いつも通りチャラいね〜」
美月さんが感心するように、課長を目で追っている。
食堂を出るまで、三人もの女子社員に声をかけられていた。それを適度に交わしながら歩いて行く。
「あ、もうこんな時間。千波も早く食べちゃいなさい」
「はい」
時計を確認すると、あと二十分しか昼休みがない。私はあわててアジフライをほおばった。
まさか本当に課長にSOSのサインを出す日がくるなんて、このときはまだ思ってもみなかったのだ。