俺様ちびなんて好きにならない!
そう言ってぷいっと横を向いた
あいつの横顔が
私にはどこか赤くなってるように見えて
「おねがい!1度でいいからこっち向いて!」
「ざけんな巨神兵!さっさと仕事戻るぞ!」
「ちょっ、いいじゃ~ん。ねっ?」
「何にも良くねぇ!ほら、行くぞデカ女!」
「……………っ」
私をいつものようにけなしながらも
あいつは私の手をさりげなく握った
背は小さいくせに、手は大きくて
階段を勢いよくかけおりながらも
たまに私のほうを振り向いて
さりげなく気遣ってくれる
私はいま、ちびで生意気なこいつを
思った以上に好き……かも?
………なんて
いつまでも素直になれない自分が
どこかもどかしい
でもいつか言えたらいいな
こいつに素直に真正面から
“好き“って
―END―