友達になるということ




「……」


あたしのせいなんだろうけど、一度盛り下がってしまった雰囲気は、なかなかもとには戻らない。


お互いに無言のまま、ご飯を食べていたけど。


とうとうスミレが耐えきれなくなったらしい。


「で、でも、前よりは確かになずなちゃんって椿くんとよく話すようになったよね」


「……そうかな」


スミレの気持ちを汲んで、あたしも今度はなるべく落ち着いて答える。


芹香もホッとしたように笑ったところで、スミレが微笑みながら言った。



「たまに、なずなちゃんのところへ行こうと思っても、2人で話してて邪魔できない時があるもん。椿くんに妬いちゃうなぁ」




そんなスミレの言っていることは、あたしには理解ができないものだった。


……何それ。


自分は散々、芹香と話しててあたしが入り込みにくくさせてるくせに、何が“妬いちゃう”なのよ。


それとも、スミレが自分の席でずっと芹香と話してるのは、あたしが椿くんと話してるからって言いたいの?



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