友達になるということ
きっと、あたしのことなんて、あたしの気持ちなんて誰も理解してくれない。してもらいたいとも思ってないけど。
「なずなちゃん、どうしたの?」
「大丈夫?」
一部始終を見ていたのか、心配そうにスミレがあたしのもとに駆け寄ってきた。
……芹香と一緒に。
それがまた、あたしをさらに苛立たせた。
「何でもないわよ!!」
ただの八つ当たりだ。
だけど、すっかりあたしとスミレの間に入ってきている芹香が許せない。それを受け入れてるスミレさえも。
「……帰る」
あたしは、机の横にかけてあったバッグを手にすると、呼び止めるスミレ達を無視して、教室を飛び出した。
こんな騒ぎを起こしたまま帰ってしまうなんて、明日学校へ行きにくくなるだけだけど、このあと授業を受けている余裕なんてなかった。