友達になるということ
優しい椿




「ダブルチーズバーガーと、ポテトのMサイズとそれからチキンナゲット。あとアップルパイと、飲み物はコーラをLサイズで」


「か、かしこまりました」


学校の最寄り駅からひとつ隣の駅にある、大きくて有名な某ファーストフード店にて。


学校を早退したあたしは、このまま真っ直ぐ家に帰ったところで「サボるな」と親に怒られてしまうし、それにお腹も減ったということでここに足を運んだ。


椿くんに言われたことがまだ脳裏にこびりついていてイライラしていることもあり、あたしはやけ食いをして少しでも抑えることに。


勢いでペラペラと注文するあたしに、店員の綺麗なお姉さんは「そんなに食べるのか」とでも言いたげな様子で若干引き気味だったけど、気にしない。


お昼の時間は過ぎているので店内は混んでなかったけど、学生はまだ学校にいるはずなので、制服姿のあたしは妙に目立つ。


周りの人たちからあまり見られたくなくて、あたしは一度ここで食べると言ったものの、やっぱりお持ち帰りにすることにした。


どこかの公園とかで食べよう……。



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