後輩。

何て答えていいかわからなかった。

「その人に抱かれていいと思いますか。その気になる人に、抱かれてもいいんですか」

その人…春の事だ。

「…うん」
「それで忘れられますか?その人のこと好きになれますか?」
「…」
「その人に気があって押し倒してきたら、どうするんですか…」

あいつ以外の人と…春と…

「いいんですか?」
「…嫌だ、」
「…」
「あいつじゃなきゃ嫌だ…」
「…でしょう?」

誰でもよくない。あいつじゃなきゃ…

「だめですよ、好きな人が居るのに簡単に異性を家に呼んじゃ」
「…うん」
「どうしてもって言うなら行きますけど…覚悟は出来てますよね?」
「…電話だけ、して」
「…はい、わかりました」

可愛い後輩だとしか思った事がなかった。好きになりたいと思っていた事は事実だけど…春は、こんなに格好よかったんだ。見た目とは違って男前で、素敵な人だったんだ。

「ごめんね、」
「はい」
「ありがとう…」

春の事を好きになれればいいのに。こんな素敵で、私を思ってくれる人、彼しかいないと思ってた。春がいた。でも、それでも、彼がいい。


その後、喧嘩別れした彼に連絡して、とりあえず仲直りは出来た。でもやっぱり元に戻る気はないらしい。それでも楽しくメールしてくれるし、笑ってくれる。心から楽しいと思えたら、また一緒にいたいと思えたら戻ってきて欲しい。うん、と答えてくれた。後は私次第だ。
春には本当に感謝してる。でも、思わせぶりな酷いことをした。それでもまだ私を心配してくれる。春も、私の大切な人。これから頑張ろう、彼のために、彼に笑顔になってもらうために努力しよう。そう思えたのは春のおかげだ。
後輩。春は私にとってそれ以上の存在にだ。
もし戻れたら、真っ先に春に連絡しよう。
ありがとう、春。



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