動き出した、君の夏
「ちーなつっ!新記録おめでと!!」
『瑞希もね!優勝おめでとーっ』

1年生にテントの片付けをしてもらってる最中、記録掲示板を見に行っていた瑞希が飛びついてきた
あたしもテンション上がって瑞希を抱きとめた
2人で騒いでいると、やっと先輩らしくなった上総君が毛布を運びながら眉間に皺を寄せた

「瑞希センパイ働けよー」
『あ、上総君も優勝おめでとう!』
「ありがとーございます^^」
「って何であたしだけなんだよ」
「千夏センパイはか弱いじゃねーですか」
「あたしだってそうだ!!」

上総君が瑞希の声を鼻で笑った

「何言ってんだよ。番長経験あるくせに」
「バっ…!!」
『そうなの!?』

瑞希が上総君を睨みながら毛布を奪い取った
あたしも毛布を貰って持った
瑞希の視線を見事にかわして上総君が笑った

「そーなんすよ。瑞希センパイ、組ン中で1番ケンカ強かったんすよ」
『そうだったんだ…』
「瑞希センパイと俺、中学一緒だったんすけど」
『そうなんだ!?』
「そーそー。で、めっちゃ荒れてたもん。なー瑞希センパイー?」
「…うるせぇなぁ…」

今でも普通の子から見たら相当荒れてるけどね^^;
大人しくなった方なのかな
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