動き出した、君の夏
『はー…腹減った…』

地区予選の話を聞いて、部室を出た

『昼飯食お…』

「村松」
『ん?』

後ろから、卓人の声がした
振り向くと、すっげぇ真剣な顔

「夕ーっ!!昼飯一緒しよーーぜっ!!」

裕樹が弁当箱を持って走ってきた
笑顔を向けて断る

『あ、悪り。卓人が話しあるみたいなんだわ^^;』
「ふーん…じゃ。俺は退散しますか」
『悪りぃな』

裕樹が頷いて廊下を走っていった
あ、
現国の中村先生に捕まって怒れてる(笑

『何だよ?』

卓人に向き直った
俺より数センチ高い厳しい目が俺を睨みつけていた

「…今度こそ、俺が出る」
『…』

軽く睨んでる目になってるかも。今の俺
それだけ言うと、卓人は俺の横を通り抜けた
すれ違い際に、耳元で何か言われた



「あんまり調子乗んなよ」



『は?』

調子乗んなって…何がだよ?
別に調子乗ってるわけじゃねぇのに…

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