動き出した、君の夏
「…ん…ち、なつ…何か持ってんな…?」
夕が、あたしの背中から片手を離して自分の背中に回した
『…ぁ…ジュース…買ってきた…』
腕を離して、缶を差し出した
『ごめん』
「もういいって」
まだ鼻声だけど
「さんきゅー」
笑顔で缶を受け取った
ベンチに座って、かしゅ。と缶を開けた
「…お、オレンジだ」
一口飲んで、嬉しそうな声で言った
『好き?』
「すっげぇ好き^^」
また一口
「…あー。美味ぇっ」