動き出した、君の夏
ばんっ

シャーペンを机に叩きつけて勢いよく振り返った

「…反応おせーな(笑」
『だだだだだって普通にレギュラーとか…あんまり普通に言うから…』
「や、でも俺、マジだぜ^^」
『…手は!?』
「ん?これか?」

夕が、左手からリストバンドを取った



「完治っ!!♪」
『ほ…ホントだ…』

ホントに、左手の腫れも黒い痣も消えてる

『じゃあ…マジで?』
「おう!」
『マジで?ピッチャーで4番?』
「おう!!」
『……甲子園!!!!????』
「おうっ!!!!」

『おめでとぉぉーーーーっ!!!!』

がばっ

あんまりテンション上がって、初めて夕に抱きついた

『頑張ってーーっ!!マジで推薦貰えるかもーーーーっ!!♪』
「う…うん。だから…ちょっと耳から離れて…な?」
『あっ…ごめん…』

耳元で、大騒ぎした
しかも1番テンション上がった最高に高い声で

『ついテンションが上がってしまってですね…』

ベッドに手を付いて、降りた




降りようとした

「ま、これも悪くねーかも」


『は?』


ぐっ

『わぁっ』
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