動き出した、君の夏
「オーイ。お前等ー。あと1試合できるが…」
「えー。もうやりたくねー…」

バレー部の1人が無気力に腕をだらんと下ろした
その声を遮って裕樹が声を張り上げた

「さーもう1試合!!締まってくぞー!!」
「「「おー!!!!」」」

「マジかよーーーー!?」

向こう側で騒いでるのを無視して、コートに入った

『ってゆーか…』

ぶっちゃけあたし…球技できないんだよね…
このチーム、あたし以外が運動神経抜群で何でもできるから目立ってないけど
あたし、実はすっごい球技オンチなんだよね!!!!;

さっきのレシーブだって、瑞希にパスするつもりが裕樹に行っちゃったし
まぁ、裕樹がとっさの判断力で受けてくれたんだけど…

「千夏!!行った!!」
『…ぅあい!!!!』

瑞希の声にビクッとして走り出した

『…って間に合わねぇーーー!!!!』

こんのやろぉぉぉぉぉ!!!!
全国大会の決勝で出したみたいな何ヶ月に1回のダッシュでスライディングした

ぽんっ

『…良かった…』

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