動き出した、君の夏
『夕ー…』
「おっ、陸部も終わったのか?一緒に帰ろーぜっ^^」

肩を落として夕に近づくと、ニカッと笑われた
瑞希が、あたしの隣で小さく溜息をついた

「…じゃ、あたしはお邪魔なんで帰りますか」
『えーっ?一緒に帰ろうよ…』
「悪りーな狩野っ」
「いーよ別に…高田!!帰んぞ!!」
「おーっ。珍しいねセンパイからとか。いーっすよーっ」

瑞希は、上総君と並んで校門を出た

「にしてもマジ珍しい。彼氏にフラれちゃったとか?」
「違うから。てか彼氏居ないし」
「え、マジで!?…ま、分かる気がする…センパイ荒いから」
「うるせぇな」

言い争ってるんだけど、結局は仲がいい2人を見つめていたら、夕が口を開いた

「狩野と高田って、仲いいよな?」
『うーん…あたしもそう思う…瑞希は断固否定だけど』
「へぇ(笑)ま、狩野が気ィきかせてくれたんだし、帰ろーぜ」
『うん』
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