動き出した、君の夏
バッティングセンターの前を通った
夕は何も反応しないで笑いながらあたしの隣を歩き続けた

『ぁれ、今日はバッティングセンター行かないの?』
「んー。明日からだしさ。今日はあんまやんない方がいいかと思って」
『そっかー…明日かぁー…』

早いなぁ…
これで負けたら、夕の夏が終わっちゃうんだ…

『じゃ、今日から行くの?』
「うん。午後にもっかい学校集合」
『頑張ってね!』
「おう!!」





『あ』
「どした?」

思い出したくない哀しい事実を思い出してしまったのさ





『………夕』
「ん?」


『ごめん』
「何が?」



『インハイまで…応援行けない…』





「嘘だろ!?」
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