動き出した、君の夏
「何でだよ!?」

夕が、凄い理解できないって顔で叫んだ
あたしだって行きたいよー…
勿論夕の応援だけど、甲子園とかマジで好きだし…

『調整に支障が出るからって…』
「マジかよー?…はぁぁぁぁぁ~~…」

夕が、へなへなと地面に座り込んだ
本気で落ち込んだ声で、頭を抱えた

「…俺、今すっげぇテンション下がった…」
『…あっ、でもっ、陸上のインハイって今年大阪だしっ』

「マジで?」

夕が、あたしを見上げた
わ、マジでちょっと涙目
腹黒のくせに可愛いっっ!!!!

『うんっ。で、コーチがねっ、野球部と同じホテル予約してくれたのっ』
「…マジで?」
『そうっ。だから、野球部が負けなければ、あたし達もそこ泊まるからっ』
「…マジで?やった!!」

夕がガッツポーズをしながら勢い良く立ち上がった
単純…
腹黒のくせに可愛いっっ!!!!(2回目

『あ、でもその前に関東で全国行ければなんだけどねっ』
「千夏なら確実に行ける!!じゃ、俺!それまで負けねーなっ^^」
『ってか、優勝狙ってよ』
「すっげぇ狙ってるよ!!」

夕がルンルンになって歩き出した

『あッ;ちょっ、待ってって!!』

慌てて夕の背中を追いかけた


『夕待っ……』

ユニフォーム姿の夕の背中を見て、急に立ち止まった
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