動き出した、君の夏
30分後




『…お…』

雨が、少しづつ止み始めた

『やった…野球できんな』
「おーっ、夕、あれ相手のK校じゃね?」

裕樹に肩を叩かれて、バスから降りてきた集団を見た
そうだ
あのユニフォーム、去年の準優勝校(優勝は勿論俺等♪)、大阪のK校だ

「あそこさ、攻撃もだけど守備がすっげぇ強ぇんだよなー」
「そースよね。つか5番の内村が1番怖いっす」
「そーそー!アイツ打率もいいしさぁ、自分のとこに飛んできた球ほとんど取られるし」
「打順とか1番だぜー?打ちすぎだろ」
「村松、打たれんなよ」
『ん?お、おう…』

んな凄ぇこと言うなよ…
ホントはK校とはあんまり戦いたくなかったんだからよ…

「…夕、緊張してるだろ(笑」

裕樹が笑いながら俺の顔を覗き込んだ

『ん…まぁ、な^^;』
「K校相手じゃピッチャーの夕はすっげープレッシャーだよなー」
『まぁ…』
「ま、俺の指示に従えって☆」

裕樹が俺の肩に手を置いた

「俺が1本も打たせねぇから☆」
『…おう。じゃ、裕樹に全部任せる』
「あ、でも首振ってもいーぞ」
『俺より裕樹のが経験豊富だし。よっぽどのことが無い限り多分首は振らねぇ(笑』


< 207 / 273 >

この作品をシェア

pagetop