動き出した、君の夏
「…」
「…」
「…」

皆が、卓人に続いて空を見上げた
少しづつ、雲が晴れていった
グラウンドも、整備が終わった

「終わらせねぇさ」

裕樹が呟いた

「終わらせねぇよ?全国制覇するまで」
『そーだなっ』

皆の顔が明るくなった

「いーか?皆。今日勝てば、もしかしたら陸部の連中も応援来れるかもしんねぇよ?陸部は今日で終わりだからな」
『見せてやろーぜっ。陸部は1試合も甲子園で観戦できてねぇんだしさっ』




「おい!!」

監督が、走ってきた

「アップ始めろ。試合開始だ」


「「「「はい!!!!」」」」

白いエナメルからグローブを取り出した
一塁側のベンチに荷物を置いて、グラウンドに出た


俺等も、優勝して引退してぇな
千夏達みたいに




この日で終わりにしたくないから
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