動き出した、君の夏
『ゴメンーっ』

「ハイ。お2人の席!」
『取っといてくれたの?』
「さんきゅーっ」

席に座ろうとした
すると、マキが当然!!と胸を張った

「野球部と同じ全国で頑張ってくれた2人には、絶景ポイントで観てもらわないと!!」
『え?』

あたしの右隣に座っていた康太(コウタ)が笑った

「瑞希と千夏だって、昨日はお疲れ!!」
「決勝見たよー!」
「マジ凄かったー!!」

皆口々に褒めてくれた

『み…見てくれた?』
「応援してたんじゃなかったの!?」

マキが、また胸を張った

「野球もだけど、陸部だって全国行ったんだから応援すんのは当たり前!!」
「ケータイで見た!!野球は雨だと中止だったし♪」
「優勝おめでとう!!」
「個人も凄かったね!!」

「み…皆すっげぇいい人ーーっ!!」

ホントに皆いい人だ!!
アドレス持ってる子だけど、全員が前日に応援メールしてくれたし

『あ…何かまた泣きそう…』
「よっし千夏!!俺の胸にどーんと来い!!(笑」

康太が両手を開いた
瑞希がすかさず康太にツッコんだ

「バーカ。千夏が胸借りるのは村松だけだろ(笑」
「あーそっかー!康太ショッーク!!(笑」

ツボの浅いマキが瑞希と康太の漫才を見て爆笑した

「はいはい!!ホラ、もー出てきたよ!!」


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