動き出した、君の夏

まさかのまさか

『まさか…まさかまさか…』

リズミカルに上下する体
それと一緒に動く頭
その頭の中でずっと巡っていた言葉…

《まさか…まさかまさか!!あたしが夕に!?しかもあんな大したこと無い理由で!?》

『はは…まさか…』

でも…えー!?
いやいや!!それは無いって!!

多分!!!!

『ま…まっさかぁ!!!!』
「三村ぁー!!!!舌噛むぞ真面目に走れー!!!!」
『わぁっ!!』

部室の方から、コーチの怒声が聞こえてきた

「ダウンだからって気ィ抜いてんじゃねーぞ!!!!」
『すいませんっ』

たったったったったっ

軽やかな足音と一緒に、瑞希と上総君が上がってきた

「しっかりしろよエース~~~~」
『ご、ごめん…』
「バカ高田。千夏…あ、千春は今なぁ、恋する悩み多き乙女なんだよ」
「あ、そっか。ゴメン千春センパイ」
『だから千春じゃないってば!!!!』





「三村ーーーーッ!!!!」

『きゃあっ!!;』

まさか…ね…
< 23 / 273 >

この作品をシェア

pagetop