動き出した、君の夏
カキインッ


観客席が喚声を上げた

一弥(カズヤ)さんが、送りバントを成功させた
一塁に滑り込んだ一弥さんは、惜しいところでアウトになった
ベンチに戻った一弥さんを、皆で迎えた

「ナイス浦城!」
「おーう☆」
「でも一弥なら、セーフになれたんじゃね?」
「いやー…お、ホラ健太!!次お前!!」
『えっ、あっ、オッス!』
「素振りしとけよー」
『すんません…』
「や、いーって本気じゃねぇから(笑」

一弥さんに背中を叩かれて席を立った
メットをかぶってバットを握った




「明石」

『はいっ』

監督に呼び止められた

「明石、先輩に迷惑かけたくねぇって思うだろ」
『はい』
「じゃあな」

監督が、顔を上げた


「自分のエラーは、自分で死ぬ気で取り戻せ」



『はいっ!!』
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