動き出した、君の夏
「お前、初めての甲子園で緊張してるかもしんねぇけど、リラックスしてけ」
『お、おう…』

「いつもの調子でやれば、お前はどんな球でも取れるから」



兄貴に褒められると、どんなことでも嬉しかった
2こ上の兄貴に続いて野球を始めて
野球の名門校に入学した兄貴が俺の最高の憧れで
俺も、兄貴と同じ学校に入学できて


全国から集められた100人近い部員の中で
レギュラーとして試合に出る兄貴と雄一兄ちゃんを、すげぇと思って
2こ下の1年の俺が、兄貴達と試合に出るのを無謀にも夢見て
必死で努力した


努力して、どんな小せぇ結果でも、兄貴は褒めてくれた
レギュラーに入れたとき、兄貴は本気で喜んでくれた
兄貴の思いっきり笑った顔を、俺に向けてくれた





有り難う。兄貴




『おう!!』
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