動き出した、君の夏
「夕っ!!!!」
「皆ァーーーー!!!!」
「おーいっ!!!!」
インタビューを終えて
涙で顔がぐしゃぐしゃになって
野球部全員でタオルを握り締めて泣いていると、応援席の皆も降りてきた
『千夏っ!!!!』
走り出した
涙で視界がぼやけるけど、千夏をしっかりと捕まえた
千夏の声は震えていた
体も、小刻みに震えていた
「おっ…おめでと…ッ」
『ん…ありがと…』
「ホームラン…最後…ッ」
『ん』
興奮して単語しか喋れてない千夏の肩に、顔を埋めた
『あれ、悪りーんだけど、チームの分と…千夏の分。な?』
「……ダメ…じゃ、ん」
『千夏も。狩野も。アルプスの皆だって…チームの仲間だから。な』
もう一度、涙が溢れた