動き出した、君の夏
席に着くと、裕樹と夕が寄ってきた

「オス。三村!」
『えっあっはっ…お、はよう…』

「「…単純(笑」」
『う、うるさいっ』

瑞希と裕樹を睨みながら赤くなった
夕が何か分からないような顔をしながら、あたしの前の机に腰掛けた

「そーいや三村と狩野、優勝したんだってな」
『あ、知ってたの?』
「おー。夕が見つけてきた」

裕樹はそう言ってエナメルバッグから地元新聞を机の上に出した

「お、ホントだ」
『知らなかったー』
「おめでとー」
「ありがとー♪」

夕がにこにこしながらあたしに言った

「すげーのな。三村と狩野って」
『えっ?そーでも無いよっ』
「2位のヤツとすっげぇタイム差あるじゃん」
『それは…地区のレベルって結構低いからさっ』
「千夏、謙遜(けんそん)しすぎ(笑」

瑞希に笑いながら指摘された
そーいえばそうだね…何でだろ(笑
今度は自信を持って夕に胸を張った

『ま、まあねっ』
「アハハ。三村って面白ぇのなー(笑」

『…』

「ん?三村どーした?」
『いや…///』

そ、その笑顔は…素敵すぎる…
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