動き出した、君の夏
『ヤバい…』

どどどどうしよいう…

『緊張してきちゃったよ…』
「どーした?」
『わぁっ』

ビクッとして振り返った

「^^☆」

超笑顔でエナメルバッグを持った夕が立っていた
首にタオルをかけて、顔から流れてくる汗を拭いている

「悪りーな待たせて」
『ぜ、全然大丈夫っ』

少し遅れて歩き出した
隣り合って歩いてみると、やっぱ凄い緊張する…
横をちらっと見ると、笑顔の横顔がバッティングセンターのライトに照らされていた
カッコイイなぁ…
夕って背も高いし…
ずっと見ていると、夕に気付かれて「ん?」と首をかしげられた

『あっ…べっ…』

別に
言おうとしたけど、言葉を切った
そうだ。まだちゃんと言ってなかった

『あの…優勝おめでとう!』
「おう!ま、俺は試合出てねぇけど(笑」
『あっ、そっ、そうだよね…』
「ま、俺だってチームの一員のつもりだし。嬉しーぜ♪」

すっごい
すっごい笑顔で、ニカッと笑った
その顔、あたし大好きだなぁ

< 44 / 273 >

この作品をシェア

pagetop