動き出した、君の夏

あたしのスランプ

『み、瑞希…』
「何?」
『夕…大丈夫かなぁ…っ』
「…お前なぁ」

本気でオロオロして瑞希に訴えると、呆れたように溜息をついた

「村松の心配もだけど、自分の心配もしろよー?」
『へ?』
「インハイ路線の地区予選。もうすぐじゃん」
『あ』

そうだった…
勿論あたしは100mと高跳びに出るんだけど…
もう6月じゃん!!!!
今月じゃん!!地区予選!!!!

「村松の心配より、自分の種目の心配した方がいいんじゃないの~~」
『そうだったっ!!!!』

ヤバい!!
最近高跳び全然跳んでないしっ
急いで高跳びのバーがセットしてあるマットに走った

まぁ、この高さなら楽勝…
ゆっくりと走り出して、腕で勢いをつけて加速
丁度のタイミングで踏み切った

体が宙に浮いた




がららんっ


『…へ?』
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