動き出した、君の夏

ピンチ

「2095番!三村さん」

名前を呼ばれて、ベンチから立ち上がった
Tシャツを脱いで
ランシャツとランパンになる
ほぐしておいた太ももを両手でぺちぺち叩く

『…っし』

100mは、2位で県を決めた
後は高跳び
結局、スランプのままで大会の当日になってしまった
この高さを跳べば、何とか決勝には残れる

夕に励ましてもらえたけど、やっぱり不安
そしてめっちゃ不調
練習しかないから、毎日毎日練習してきたけど、スランプは中々終わらなかった


体を後ろに傾けて、間をおいた

腕を振り出して、地面を蹴った
少しずつ加速して、練習通りの位置に向かった






地面を、強く蹴った
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