動き出した、君の夏
「…なぁ」
『ん?』
「俺と、付き合ってくんね?」
『……え?』
『きゃ…っ』
カランッ
アルミ缶が、地面に落ちた
コンクリートにアルミ缶のぶつかる軽い音を聞いた
気が付いたら、
夕の腕の中
「…俺と、付き合って」
『…あのっ…?』
「駄目…か…?」
腕の力が強くなって、もっともっと夕と締め付けられた
『駄目…じゃない…』
ゆっくり
ゆっくり
夕の背中に腕を回した
『…むしろ…あたしが…告白したかった…』