動き出した、君の夏
「何でスか?」

瑞希が嫌なオーラ全開で監督に聞いた

「おっ、狩野、ちゃんとリボンしてんじゃねェか」
「あ?…はい。まぁ」
「マネージャー1人じゃ人手が足りなくてな。陸上部は終わったんだろ?」
『終わりましたけど…』
「じゃ、丁度いい。三村、ボール器具庫から持って来い」
『えっ?』
「もたもたすんな!!」
『えっ、はっ、はいっ』

監督にせかされて、やるって言ったわけじゃいのにフェンスをくぐり抜けて坂を下りた

「あッ!?おい千夏!!」
「狩野。お前はこれに水入れて来い」

瑞希に、2リットルの水筒(すいとう)を10本以上差し出した

「はぁ!?」
「部員の水分補給用。早く入れて来いよー」
「入れて来いじゃなくて…」
「はぁぁやくしろーっ!!」
「う…うぃっす…」

眉間に皺を寄せながらも、瑞希は水筒の入った大きなカゴを2つ受け取った
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