色紙と一雫
もちろん、義理の弟からの挨拶は無かった。
いつ薬飲んだのかとか死んだのかとか必死に考えてると思う。
俺は肘でドアに寄りかかって、手の平で頭を抑えた。
それから、ため息に近い一息を聞かせる様に吐いた。
この状況で心地良かったかとか言葉が出る俺を落ち着かせる為でもあった。

「死んだの……?」

「知らね、確認でもすれば?」

義理の弟は下唇を噛んだ。
痛かったのか現実を受け入れたくないのか体が震えている。

「どうしよう…?」

「どうしようもねーよ。」

「僕が、殺した…?」

「…聞くな。」

俺は部屋に入らずキッチンに入った。
それから冷蔵庫を開いてお茶を出した。
コップを三つ取り出して、それに注いだ。
あって呟いて、一つのコップに口付けた。
そのコップを流し台に降ろして、残りの二つを両手に持った。
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