色紙と一雫
「今まで…」

リビングで台を囲んだ。
四人で座るはずだったその内の二つの椅子で。

「ん?」

「奨兄さんと話さなくて…その。」

「謝んなよ、慣れる。」

「…じゃあ、ありがとう。」

何がじゃあ、だよ。
こっちは考えてんだよ、未来を。
警察は俺らに何を聞くだろう。
死んだ理由?薬の事についてか?
結局俺も義理の弟も誰かに捕らわれるんだろ。

いや、人が変わるだけで捕らわれて居たのか。

「…重い。」

「え?」

「狭い…。」

「え…と、リビング?」

リビングが重いって何だよ。

「お前の心が…だよ。」
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