黒愛
どのくらい眠っただろう?

「パパ…?」

その声でなおさんの旦那さんが
飛び起きた!!!

「は、早く学校行けよ!!!」

私は布団の中でうずくまっている。

「パパ誰と寝てるの…?」

「誰もいねーよ!ほら遅刻するぞ!」

「うん行ってきます!」

ガチャンと玄関が閉まる音がした。

私は急いで服を着た。
恥ずかしかった。

若い私は罪悪感はなく、
(子供いるんだ~)
くらいに軽く考えていた。

なおさんの旦那さんは
作業着に着替えている。

私達はあまり話さなかった。
目が合うとお互い照れた。

マンションの10階から
降りるエレベーターの中も。

「じゃあ」となおさんの旦那さん。
「じゃあ」と私。

私達は反対方向へ歩いていく。

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