黒愛
「あいり!」

私はあいりと駅で待ち合わせた。
駅の隣には小さな公園。
ベンチにあいりは座っていた。

「りこ。会いたかった…」

私はなにも聞かなかった。
あいりもなにも言わなかった。

私は今の学校の現状や
新しい担任の話しなどをした。

あいりは私に言った。
「だったら一緒に働かない?」

私は驚いた。

と同時に胸が高鳴った。

あいりは小さなスナックで働いている。
高校を辞めてすぐ始めたらしい。

新しい事が大好きな私は
ためらうこともなく
あいりについていった。

お店のママはとても優しい笑顔で
「来れる日だけでいいからやってみる?」
と言ってくれた。

時給1500円。

高校生の私には大金だ。

寿司屋でバイトしてる私に、終わってからの時間でいいからとも言ってくれた。

それから週2くらいで出勤するようになった。17歳の秋の事だ。

ここから私の人生は大きく変わっていく。
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