新選組と最強子供剣士
んーなんかバタバタしてきたな。


今なら中に入ってもバレないような?


動かずジッとしていると、次は芹沢さんがご立腹の様子で出てきた。


ずいぶん不機嫌そうだ。


「ちょっと待ち!」


そんな芹沢さんの足を止めさせたのは先ほどの楓さん。


「なんか賑やかだなぁ」


「にゃ~」


「うるさいって?」


「にゃ」


「叶は耳大きいしな」


僕がのんびりと叶と話している間に、楓さんと芹沢さんの会話はヒートアップ。


関わらない方がいいような気がしてきた。


「なんだと?肌を見せなかったあちらが悪いんだ。客を楽しませるのが芸姑だろう?」


「一夜限りの客に肌をさらせと?無理言うてはる自覚は?それに、無理を聞かへんかったら髪を切るてどうなん?髪はなぁ、女の命って言うてもええもんやねん!」


「ほぉ?命だと?たかが髪がか?」


「あんさんのせいで、あの芸姑達は明日から御座敷に上がられへん。商売が出来んかったらお金ももらわれへん」 


「ふんっ、そんなの知ったことじゃないわ」


「あんたなぁ!!」


どんどんヒートアップする会話。


すると、吉田屋から土方さんが出てきた。


さて、どうなることやら。


「さっきから貴様、女の分際で、それも芸姑の分際で口答えするな!」


「女の、分際‥‥‥?」


あ、ヤバい。


楓さんの雰囲気が一変した。


先ほどまでの激しく怒鳴り散らしていた雰囲気はない。


静かに‥‥‥激怒している。


女の分際はNGワードだったわけだ。


うん、これで確定だな。
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