新選組と最強子供剣士
僕としてはそれで嬉しいんだけど。


新選組って、女の人を連れ込むのは禁止とかいう規則なかったっけ?


確か山南さんが言ってたような?


‥‥‥ま、いっか。


僕、新選組の隊士じゃないし。


「さて、土方さん」


「あ?」


「ちょっとお話したいことがありますの。新選組にお邪魔いたしますわよ」


「‥‥‥わぁったよ」


「では、私はリーダーに案内してもらいますので」


「‥‥‥」


土方さんはジッと立を見る。


立は土方さんに美しい笑みを見せた。


「ではリーダー、ちょっと着替ますわね。私の部屋に行きましょう」


「わかった」


僕は立について行き、吉田屋の中に入った。


中は外よりもきらびやかだ。


色とりどりの着物を着た芸姑達。


吉原、かぁ。


ドロドロしてそうだなぁ。


「ここですわ」


「お邪魔します」


立の部屋は1人がピッタリの小さな部屋。


家具はお化粧するための机に布団だけ。


「立、いつこの時代に来た?」


「ほんの数日前、二週間ほど前ですわ」


「来る時、何か予兆みたいのはあった?」


「そうですわねぇ‥‥‥ああ、そういえば猫を助けようとしましたわ」


「猫?」


「はい。ちょうどその黒猫ちゃんと同じくらいでしたわね。川に流されているところを助けようとしましたの」


「実際に助けられなかったってこと?」
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