新選組と最強子供剣士
もちろん、組織の監視役もこなしていた。


そんなわけで、この新選組で一番の監視の手練れであろう山崎さんよりも優秀だろう。


それに今監視している者は山崎さんではない。


立から見ればバレバレで、溜め息が出るほどウザい存在だろう。


嫌でも気配を読み取れてしまうから。


「隊長、外してきて下さい」


「いや無理だよ。我慢して」


「‥‥‥はい」


舌打ちをしそうな顔をする立。


仕方ないなぁ。


「明日は2人で一緒に街に行こう」


「はい!」


ふぅ、ちょっとは機嫌なおったかな。


「ここだよ、部屋」


「うわ、何にもないですね」


「取りあえず僕も今日ここで寝るから」


「え、た、隊長と、ふ、2人で!」


わざとらしく顔を手でおおい、恥じらいの表情を浮かべる立。


「そういう演技はいらないから」


「少しはのってくださいよぉ」


「今日は眠いから無理」


ふてくされる立をほっとき、布団を敷く。


1つしかないし、僕は床で寝るか。


それとも久々に徹夜でもしようかな?


「じゃ、立、もう寝なよ」


「は~い。では、お先に失礼させていただきます」


立が布団に入ったのを確認すると、僕は廊下へ出た。


そして縁側に座ると、やはり叶が戻ってきた。


「にゃ~」


「叶、おいで」


叶を膝の上に乗せ、夜空を眺める。
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