新選組と最強子供剣士
まぁ確かに、日本は平和だけど、僕がいるところは平和とはかけ離れてる。


「まぁ、僕のいた場所は平和じゃないのは合ってる」


「どのような場所にいたか聞いても?」


「‥‥‥殺し屋だよ。ちなみに僕の担当は主に暗殺業かな。武器は刃物全般」


僕が笑って答えると、山南さんの顔は逆に険しくなった。


それから何かを考え、僕の顔を見て言う。


「君から見て、新選組はどう思いますか?」


と。


その顔は真剣そのもので、威圧感まである。


そんなに真剣に聞かれちゃ、嘘は言えない。


うーん‥‥‥最近、新選組についての質問がいろんな人から多い気がする。


「にゃ~」


「叶、ちょっと待ってね」


叶が甘えてきたので、つけてあるリボンを解いて猫じゃらし代わりにして遊ぶ。


「僕の意見でいいの?」


「はい」


「んーとじゃあ、甘い、緩い、中途半端、怖くない。剣の腕は認めるけど、戦術がない。ぐらいかな」


話終わって山南さんの顔を見ると、またまた驚いているようだった。


「あなたは、新選組が実戦をしているところを見たことがあるんですか?」


「ないよ。でもおおよそは分かる。これでも、
いろんな修羅場を抜けてきたからさ」


「甘い、というのは?」


「厳しさが中途半端すぎるんだよ。これじゃ逆にダメ。厳しくするなら徹底的に。新選組の京の街を守る役割なんでしょ?」


「しかし、我々はあくまでも浪人集団の集まりと思われています。実際に京の街を取り締まっているのは所司代の方々です」


「それは薄々知ってた。でも山南さん、そんな甘いことばっかり考えてたら、手柄を全部もってかれちゃうよ?」


僕はそう言って山南さんを睨みつけた。




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