新選組と最強子供剣士
「君がこんなにも優れた剣客だったとは!私は感動した!」


はぁ、ありがとうございます。


というか、は・な・し・て!


「ギブ、ギブー!」


「ぎぶ?」


「ギブアップ。参った、という意味です。訳しますと、離して、と申しております」


「へ~そうなんだ」


立ー!説明してないで助けろー!


沖田さんも、納得してないで助けてー!


近藤さんの胸を遠慮なくバシバシと叩く。


「近藤さん、剣壱君を離してあげて」


「ぬ、おお、すまない」


井上さんの言葉で、やっと離してくれた近藤さん。


井上さん、ありがとうございます。


「ゴホゴホッ、ふぅ~‥‥‥よし。それで立、
準備はできてるの?まさかサボってないよね?」


「私が隊長との約束を破るわけないじゃないですか」


そう言って立は僕に頼んでいた物を投げる。


僕は、何か悪意のあるように投げられた物を難なくキャッチした。


「探すのに苦労したんですよ。感謝してください」


「剣壱、なんだそれ?」


新八さんがマジマジとそれを見つめる。


僕は布をといて、中にあるものを取り出した。


「笛?」


そう、僕が頼んだのは横笛。


「何に使うんだよ」


「僕、これ吹けるんだ。いろいろ役にたつんだよ」
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