新選組と最強子供剣士
いや、これは後ででいいか。


「ありがとう。よくわかったよ」


僕はお礼を言い‥‥‥‥


グシャァ!


お姉さんの心臓を突き刺した。


「ぁ、ぁ、ぁ‥‥‥」


心臓から刀を抜くと、娘さんは倒れる。


「な、なんで、話したじゃねぇか!」


「話して殺さないなんて一言も言ってない。だいたい、娘さんを上手く誘導して使ってたのはあんた達だろ?」


母親が涙を流してへたり込む。


父親は持っていた刀を抜いて、僕に斬りかかってきた。


「自分の娘さんだけでも巻き込まなければ良かったのにね」


僕はそう言うと、父親の方も斬る。


その後、既に絶望している母親も斬った。


刀についている血を払い、鞘へとしまう。


「‥‥‥‥‥」


久しぶりに人を斬った。


なんの躊躇いもなく、淡々と。


死体に向かい、手を合わせる。


「‥‥‥‥お団子、ありがとうございました。
とっても美味しかったです」


そう言って、僕は店を出る。


外に出ると、雨があがっていた。


雲の隙間から星が見えている。


江戸に来て、初めての人殺し。


後悔はしない。


後悔なんてしていない。


店を一瞥し、僕は振り返らず屯所に戻った。




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