新選組と最強子供剣士
屯所の前には立が立っていた。


立は僕を見つけるなり駆け足でやってくる。


「たーいちょ、任務、完了致しましたわ」


そう言ってなぜか僕を抱き上げる立。


まぁ別にいいんだけど。


「お疲れ様。怪我はしてない?」


「はい、大丈夫ですわ」


怪我どころか、着物に血すらついていない。


僕も同じだけど。


「そうだ。屋根の上でお団子でも食べない?」


「え、私がご一緒しても?」


「うん。このお団子、もう一生食べられないしね」


「?」


「昨日、丸一でお団子買ってもらったんだ」


「ああ、なるほど。では、味わって召し上がりましょう」


立の腕から降りると、屯所の屋根へと上がる。


さすがに雨だったから濡れてるなぁ。


すでに少し濡れてるし、別に問題はないか。


「よっ、おっととと」


「大丈夫?」


「は、はい。なんとか‥‥‥」


落ちそうになった立の腕をつかむ。


立は僕の隣に座った。


懐にしまってあった団子を取り出し、膝の上に広げる。


「よっしゃ、潰れてなかった」


「八本もあるんですわね。嬉しいですわぁ」


団子を手にとり、口へと運ぶ。


うん、やっぱり旨い。
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