新選組と最強子供剣士
それによって、僕の木刀は折れた。


‥‥‥‥‥はぁ、参ったなぁ。


「参りました。ありがとうございました」


土方さんに敬意を込めて頭を下げた。


「ああ」


土方さんはそれだけを言って、僕に近づく。


‥‥‥‥負けたの、久しぶりだ。


ポン


「‥‥‥何?」


僕が下を向いていると、土方さんが頭の上に手を置いてきた。


ポンポン


「だから、なに!?」


「お前の考えた剣術、いい剣だな」


土方さんにそう言われ、思わず顔を上げる。


土方さんの顔は優しく笑っていた。


‥‥‥‥悔しかった。


僕の剣で負けて、悔しかったんだ。


「~~~~~っ、次は勝つし!」


「ああ、受けてたってやる」


「(プイッ)」


僕は、土方さんに木刀を押し付けるようにしてわたす。


そして道場を出て行った。





ムカつく、ムカつく、ムカつく!!


なのに‥‥‥‥


「なんで、嬉しいんだよ」


「隊長?」


「あ、立」


廊下でバッタリと立に出くわす。
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