新選組と最強子供剣士
刀の平均値段とか知らないし。


いや、うん、でも‥‥‥


「まぁまぁ、かな」


ポツリとそう呟く。


刀の出来はそこそこ。


いや、いい方かも知れない。


ただ、なぜそう思うか?


理由は簡単だ。


僕の持っている刀が凄すぎるだけ。


やっぱり親父さんのが好き。


「お、坊主、いっちょ前に刀なんか差しやがって!斎藤の知り合いか?」


ボーッとお店を見ていると、笑顔のおじさんが話しかけてきた。


普通に話かけられたような感じだけど、おじさんはどこか緊張しているよう。


ああ、この人‥‥‥‥


演技下手だなぁ。


「誰?」

   ナカダイ
「俺は仲代っていうもんだ。坊主は?」


「剣壱だよ。新選組にお世話になってるんだ!
今日は斎藤さんと鍛冶屋巡りなんだぁ」


「かじや巡り?ハハッ、なんだそりゃ!」


豪快に笑うおじさんこと仲代さん。


うーむ、暑苦しい。


それにしても仲代さん‥‥‥‥


「仲代さん、よく僕に話かけられたね」


僕はそう言って、ニッコリと笑みを向けた。


すると何かを感じたのか、ほんの少しだけ下がる仲代さん。


それから引きつった顔で言う。


「な、何言ってんだ?」


「わかんないならいいや」


あくまで笑顔のまま話す僕。
< 286 / 416 >

この作品をシェア

pagetop